この記事を読むべき方
- ホームページを自分で作るか、外注するかを決めかねている
- 作ると決めたものの、何から手をつければよいか分からない
- 過去に外注して失敗し、今度は手順を理解したうえで進めたい
- 公開前に確認しておくべきことを一覧で押さえておきたい
整骨院のホームページを作る作業は、デザインを決めることから始まるわけではありません。実際に手が止まるのは、もっと手前の段階です。
誰の名義でドメインを取るのか。原稿を誰が書くのか。公開したあと誰が更新するのか。ここを決めないまま制作に入ると、途中で止まるか、公開後に放置されるかのどちらかになります。
この記事では、着手前に決めることから公開後の運用までを、順番どおりに整理します。自作と外注の分岐点についても、判断できる材料をそろえました。
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作り始める前に決める3つのこと

制作に入る前に決着をつけておきたい項目は3つです。いずれも後から変更すると、費用と手間が余計にかかります。
| 決めること | 判断の軸 |
|---|---|
| サイトの役割 | 新患の予約獲得か、既存患者への案内か、求人か。全部を1つに詰め込むと焦点がぼやける |
| ドメインとサーバーの名義 | 院の名義で取得する。業者名義にすると移管も解約もできなくなる |
| 更新の担当 | 院内で更新するのか、外部に依頼するのか。ここが決まると必要な仕組みが決まる |
最も重大なのは名義です。ドメインとサーバーが業者名義のまま契約が終わると、それまで積み上げた検索順位ごと失うことになります。契約の前に、誰の名義で取得するのかを書面で確認してください。
初期費用0円をうたう契約では、ドメインとサーバーが業者名義になっている例が少なくありません。解約時にデータが返ってこず、サイトがそのまま消える事態も起きています。名義の確認は、デザインの打ち合わせより先に済ませるべき項目です。
役割については、まず1つに絞ることをおすすめします。新患の予約を増やしたいのであれば、トップページの主役は予約への導線になります。求人も同時に狙うのなら、求人は別ページに分けたほうが両方とも機能するでしょう。
自作と外注の分岐点

どちらが正解ということはありません。判断は、費やせる時間と更新の頻度で決まります。
| 観点 | 自作が向く | 外注が向く |
|---|---|---|
| 使える時間 | 月に20時間以上確保できる | 施術と経営で手一杯 |
| 初期費用 | 年間1万円台から始めたい | 25万円前後を投資できる |
| 更新頻度 | 週に1回以上いじりたい | 年に数回で足りる |
| 規制の知識 | 自分で条項を確認する気がある | 専門家に任せたい |
| デザイン | 整っていれば十分 | 他院と差をつけたい |
時間の見積もりは甘くなりがちです。初めて作る場合、調べながら進めることになるため、5ページ程度のサイトでも40時間から60時間はかかります。時給換算すれば、外注のほうが安く済む場合もあるでしょう。
一方で、自作には外注では得られない利点があります。文章の細かな修正を、思い立ったその日に反映できることです。営業時間の変更、臨時休業の告知、新しい受付方法の案内。こうした更新を業者に依頼すると、都度の費用と待ち時間が発生します。
折衷案として、初期構築だけ外注し、運用は院内で行う方法があります。管理画面から文章と写真を差し替えられる状態で納品してもらい、以後は自分で更新する形です。この場合は、契約時に「管理画面の権限を渡してもらえるか」を必ず確認してください。
自作する場合の手順

自作を選んだ場合、作業は次の順番で進みます。
| 手順 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | ドメインを取得する | 年1,000円から3,000円 |
| 2 | サーバーを契約する | 月500円から1,500円 |
| 3 | ツールを選ぶ | WordPressかノーコード |
| 4 | 構成を決める | ページ一覧を紙に書き出す |
| 5 | 原稿を書く | 最も時間がかかる工程 |
| 6 | 写真を用意する | 院内・外観・施術者 |
| 7 | 組み立てる | デザインより情報の順番を優先 |
| 8 | 公開前に確認する | 後述のチェックリスト |
ツールの選択で迷ったときは、更新したい頻度で決めてください。ブログを継続的に書くつもりならWordPressが向きます。数ページで完結させ、あまり触らないのであれば、ノーコードのサービスのほうが早く立ち上がるでしょう。
ノーコードのサービスを選ぶ場合は、あとからデータを書き出せるかどうかを先に確認しておきたいところです。提供元がサービスを終了したり、料金体系が大きく変わったりしたときに、原稿と写真を手元に残せるかどうかで移行の難易度が変わります。書き出しに対応していないサービスでも、原稿はテキストとして、写真は元データとして自分の手元に保管しておけば、作り直しの負担はかなり軽くなるでしょう。
つまずきやすいのは5番の原稿です。ここで止まる院が非常に多く、ドメインとサーバーだけ契約したまま半年経っているという話も珍しくありません。原稿は完璧を目指さず、まず埋めてから直す進め方が現実的です。
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外注する場合の手順

外注の場合、院側の作業がなくなるわけではありません。むしろ準備の質が仕上がりを左右します。
| 手順 | 院側の作業 |
|---|---|
| 1. 要件を言語化する | 目的、掲載したい内容、参考にしたいサイトを3つ挙げる |
| 2. 複数社から見積もりを取る | 同じ条件を渡して比較する。2社では判断材料が足りない |
| 3. 契約内容を確認する | 名義、著作権、解約条件、月額に含まれる作業範囲 |
| 4. 素材を渡す | 原稿、写真、ロゴ、届出上の名称 |
| 5. 初稿を確認する | 表記が規制に触れていないかを自分の目でも見る |
| 6. 修正を依頼する | 無償修正の回数を事前に把握しておく |
| 7. 公開と引き渡しを受ける | 管理画面の権限、ドメイン情報、データ一式 |
3番の契約確認は省略しないでください。月額に何が含まれるのかが曖昧なまま契約すると、文章を1行直すだけで追加費用を請求される事態になります。「月額に含まれる更新作業の範囲」を、具体的な作業名で書いてもらうのが確実です。
5番も院側の責任が残る部分です。広告の内容について指導を受けるのは施術所であり、制作会社に任せていたという説明で免れることはできません。医科のクリニックを多く手がけてきた業者ほど、柔整では使えない表記を自然に入れてくる傾向があります。
初稿で特に確認したいのは「診療時間」「休診日」「初診」「各種保険取扱い」の4つです。いずれも柔整の広告では使えない表記で、看板やチラシに流用すると指導の対象になります。サイト上では直ちに問題とはなりませんが、表記を統一しておくほうが後の手戻りを防げるでしょう。
原稿と写真の準備

自作でも外注でも、ここが工程全体の山場です。逆に言えば、素材が揃っていれば制作は驚くほど早く進みます。
| 素材 | 用意するもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 院の基本情報 | 届出上の名称、住所、電話番号、受付時間 | 届出と看板と地図サービスで表記を揃える |
| 施術者の情報 | 氏名、資格、一言 | 広告できない経歴や学会名は載せない |
| 施術メニュー | 名称と所要時間、料金 | 効果を断定する名称は避ける |
| 外観写真 | 入口が分かる引きの写真 | 初めて来る人は建物で迷う |
| 院内写真 | 受付、施術スペース | 他の患者さんが写り込まないように |
| 施術者の写真 | 顔が見える1枚 | 加工しすぎない |
写真は、スマートフォンでも十分に通用します。重要なのは機材よりも明るさでしょう。照明をすべて点け、昼間の時間帯に撮ると失敗が減ります。外観は道路側から引きで撮り、目印になる建物や看板を入れておくと、初診の方が迷いにくくなるはずです。
施術前後を並べた写真については、扱いに注意が必要です。加工や修正を施した写真、撮影条件を変えた写真は、ガイドラインで掲載すべきでない事項に挙げられています。姿勢の変化を見せたい場合でも、同じ照明と同じ角度で撮るという前提が崩れれば、指摘を受ける余地が生まれるでしょう。
公開前のチェックリスト

公開してから直すのは、想像以上に手間です。次の項目は、公開ボタンを押す前に確認してください。
| 区分 | 確認項目 |
|---|---|
| 表記 | 「治ります」「根本治療」「○○に効きます」が残っていないか |
| 表記 | 「診療時間」「休診日」「初診」を使っていないか |
| 表記 | 「日本一」「No.1」「口コミサイト1位」がないか |
| 情報 | 電話番号と受付時間が届出および看板と一致しているか |
| 情報 | 地図と住所が正しいか、駐車場の有無を書いたか |
| 技術 | スマートフォンで見て文字が小さすぎないか |
| 技術 | SSLが有効で、鍵マークが表示されるか |
| 技術 | 問い合わせフォームから実際に送信できるか |
| 技術 | 各ページに固有のタイトルが設定されているか |
| 権利 | ドメインとサーバーが院の名義になっているか |
フォームの送信テストは、意外と見落とされます。自分の端末から実際に送り、返信用のメールアドレスに届くところまで確認してください。届かないまま数ヶ月が過ぎ、問い合わせをすべて取りこぼしていた例もあります。
スマートフォン表示も必ず自分の端末で見ましょう。制作側は大きな画面で作業しているため、実機で見ると文字が小さかったり、電話番号を押せなかったりすることがあります。
公開してからやること

公開は終わりではなく開始です。とはいえ、やることは多くありません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 公開直後 | Google Search Consoleに登録し、サイトマップを送信する |
| 公開直後 | Googleビジネスプロフィールのサイト欄を新しいURLに更新する |
| 公開直後 | 名刺、診察券、看板、各種掲載先のURLを差し替える |
| 1ヶ月後 | 検索での表示回数と、フォームからの問い合わせ件数を確認する |
| 3ヶ月後 | 読まれているページと読まれていないページを見て、内容を足す |
| 随時 | 受付時間や休業の変更を、当日中に反映する |
Googleビジネスプロフィールとの情報の一致は、地図検索での評価に関わります。名称、住所、電話番号の表記がサイトと地図でずれていると、同じ院だと認識されにくくなるためです。半角と全角の違いや、ビル名の省略にも注意を払ってください。
問い合わせの数だけでなく、どのページを見てから連絡が来たのかも把握しておくと、手の入れどころが早く見つかります。料金ページを見てから予約する人が多いのであれば、料金の書き方に手を入れる価値があるということです。逆にアクセスのページばかり見られているなら、地図や駐車場の案内が足りていない可能性を疑ってみてください。
更新については、完璧な記事を月に1本書くより、営業時間や休業の告知を即日で反映するほうが実利があります。患者さんが知りたいのは、今日開いているかどうかだからです。
よくある質問

Q1. 自作と外注、結局どちらが安く済みますか
初期費用だけを見れば自作が安く、年間1万円台から始められます。ただし制作にかかる時間を時給に換算すると、外注のほうが安くなる場合があります。5ページ程度でも初めてなら40時間から60時間は見込んでおくべきでしょう。時間を確保できるかどうかが判断の分かれ目になります。
Q2. WordPressとノーコードのどちらを選ぶべきですか
ブログを継続して書き、ページを増やしていく予定であればWordPressが向きます。数ページで完結させ、更新も少ないのであれば、ノーコードのサービスのほうが立ち上がりが早いでしょう。ただしノーコードは提供元のサービスが終了すると移行が難しい場合があるため、データの書き出しができるかを確認しておいてください。
Q3. ドメインは何を選べばよいですか
院名のローマ字表記が基本です。地域名を入れる形も分かりやすく、実務上はよく使われます。検索順位に直接影響する要素ではないため、短く、口頭で伝えやすいものを選べば十分です。取得は院の名義で行い、更新期限の管理も自分で把握しておきましょう。
Q4. 症状名をページに書いてもよいのでしょうか
ウェブサイトについては、症状名の記載が直ちに問題になるわけではありません。掲載すべきでない事項のリストに症状名は含まれていないためです。ただし看板やチラシでは、広告できる事項の限定列挙に含まれないため書けません。また柔道整復師の業務範囲は骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷であり、その範囲を超えた訴求は説明の整合が取れなくなります。
Q5. 制作会社から「効果をうたったほうが集客できる」と言われました
ウェブサイトであっても、効果を断定する表現はガイドラインで掲載すべきでない事項に挙げられています。さらに景品表示法など他の法令も、サイトに及ぶ点は変わりません。集客の提案として出てきた場合でも、指導を受けるのは施術所であることを踏まえて判断してください。規制の範囲内でも、通いやすさや受付方法の分かりやすさで差をつける余地は十分にあります。
Q6. 既にあるサイトを作り直すべきか、直して使うべきか迷っています
判断の目安は、スマートフォンで快適に見られるかどうかです。文字が小さく拡大しないと読めない、電話番号が押せないといった状態であれば、作り直したほうが早いでしょう。構造に問題がなく、文章と写真だけの問題であれば、部分的な修正で十分な場合もあります。
Q7. 公開したのに検索で出てきません
公開直後は検索結果に反映されるまで時間がかかります。まずGoogle Search Consoleに登録し、サイトマップを送信してください。それでも数週間から数ヶ月かかることは珍しくありません。院名で検索して自院が出てくるようになれば、最低限の認識はされています。地域名を含む検索で上位を狙うのは、そのあとの段階です。
Q8. 作ったあと、何を更新すればよいですか
優先度が高いのは、営業時間の変更や臨時休業の告知です。次に、よく聞かれる質問への回答を足していくとよいでしょう。ブログを無理に続ける必要はありません。更新が止まっているページより、情報が正確で今日開いているかが分かるページのほうが、患者さんの役に立ちます。
まとめ

本日中にできること
- サイトの役割を1つに絞る(新患、既存患者、求人のどれか)
- 現在のドメインとサーバーが誰の名義かを確認する
今週中にできること
- 自作か外注かを、使える時間から決める
- 院の基本情報を1枚にまとめる(名称、住所、電話、受付時間)
今月中にできること
- 外観、院内、施術者の写真を撮る
- 公開前チェックリストの表記10項目を確認する
ホームページ制作でつまずく原因は、技術ではなく準備にあります。名義を決め、役割を絞り、素材を揃える。この3つが済んでいれば、自作でも外注でも作業は進みます。
そして、公開して終わりにしないことです。受付時間が変わったのにサイトが古いままだと、正確さを疑われる要因になります。月に何本書くかより、今日の情報が正しいかどうかを優先してください。
費用の相場については整骨院のホームページ制作費用の相場で、必要なページ構成については整骨院のホームページ制作ガイドで詳しく扱っています。
御院の表記を、条項に沿って確認しませんか
現在のホームページやGoogleビジネスプロフィールに該当する表記がないかを、無料で診断しています。該当箇所と、ガイドラインの条項番号、代替となる表記をまとめてお送りします。
診断のみのご利用で構いません。制作のご依頼をお勧めすることはありません。無料の広告ガイドライン診断はこちら。
