この記事を読むべき方
- 制作会社を探しているが、どこも同じに見えて選べない
- 以前に依頼した会社で失敗し、今度は見極めてから決めたい
- 営業を受けているが、その場で判断してよいのか迷っている
- 見積書を並べたものの、どこを比べればよいか分からない
制作会社の比較が難しいのは、金額と内容の対応が見えないからです。30万円の見積書と80万円の見積書を並べても、その差が何なのかは書かれていません。
しかも整骨院の場合、デザインや価格だけでは判断できない要素があります。柔道整復師法とあはき法の広告規制です。ここを理解していない会社に任せると、公開してから直す羽目になります。
この記事では、候補の集め方から契約前の確認項目まで、判断できる順番で整理しました。
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制作会社は大きく4種類に分かれる

依頼先の性格は、規模と専門性でおおむね4つに整理できます。それぞれ強みと弱みが違うため、まず自院がどの型を求めているのかを決めておきましょう。
| 依頼先の型 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| 大手制作会社 | 分業体制があり、撮影から原稿まで一括で任せられる | 費用が高く、担当者が変わりやすい |
| 地域の制作会社 | 対面で打ち合わせでき、地域の事情に明るい | 整骨院の規制に不慣れな場合がある |
| 治療院に特化した会社 | 業界の事例が多く、初期設計が早い | 他院と構成が似る。月額の縛りがある場合も |
| フリーランス | 費用が抑えられ、意思決定が速い | 力量の差が大きく、体調不良や廃業で止まる |
ここで注意したいのは、特化しているから規制に強いとは限らない点です。整骨院の実績が豊富でも、2025年2月のガイドライン以前の型をそのまま使い続けている会社もあります。実績数と規制理解は別の話だと考えてください。
依頼先を1種類に絞る必要はありません。構築は制作会社に頼み、公開後の記事更新は別の担当に任せる形も成立します。むしろ、月額の中身が薄い保守契約を続けるより、必要なときに必要な作業を依頼するほうが安く収まる場合もあるでしょう。
候補の集め方と絞り方

候補は3社から5社集めるのが現実的です。2社では比較になりません。
| 集め方 | 特徴 |
|---|---|
| 検索で探す | 「整骨院 ホームページ 制作」などで上位に出る会社。自社サイトで順位を取れている点は一つの実力の証拠 |
| 実際のサイトから逆引き | 良いと思った他院のサイトを見て、下部の制作会社表記から辿る |
| 同業からの紹介 | 実際の対応の質が事前に分かる。ただし条件は院ごとに違う |
| 比較サイト | 候補を一度に集めやすい。掲載は広告であることを踏まえて見る |
| 営業を受ける | 向こうから来た提案。内容を検討する価値はあるが、その場で決めない |
絞り込みで最も効くのは、2つ目の逆引きです。実際に公開されているサイトを見れば、その会社が作るものの水準が分かります。スマートフォンで開いて読みやすいか、表記が規制に触れていないか、この2点を見るだけでも差が出るはずです。
候補が集まったら、同じ条件を書いた1枚の紙を全社に渡してください。会社ごとに違う説明をすると、見積書がばらばらになって比較できなくなります。渡す内容は、目的、必要なページ、公開したい時期、予算の上限、更新の担当。この5つで足ります。
見積もりが出そろうまでには、依頼してから1週間から2週間を見ておきましょう。公開したい時期が決まっているのなら、そこから逆算して動き始めてください。制作期間は内容にもよりますが、5ページから10ページの規模で1ヶ月半から3ヶ月が目安になります。新規開業に合わせるつもりなら、半年前には候補集めを始めておくと余裕が生まれるでしょう。移転や院名の変更に合わせる場合も、看板や名刺の発注と同じ時期に動き出すと手戻りが減ります。
契約前に確認する10項目

ここが本題です。次の10項目は、契約書に判を押す前に必ず答えを得ておきたい内容です。
| No | 確認項目 | 望ましい答え |
|---|---|---|
| 1 | ドメインとサーバーは誰の名義か | 院の名義。業者名義なら理由を確認する |
| 2 | 解約したらデータはどうなるか | 原稿・写真・データ一式を渡してもらえる |
| 3 | 契約期間と中途解約の条件は | 期間の縛りがない、または解約条件が明記されている |
| 4 | 月額に含まれる作業は何か | 具体的な作業名と回数で書かれている |
| 5 | 自分で更新できる状態で渡されるか | 管理画面の権限をもらえる |
| 6 | 無償修正は何回までか | 回数か期間で明示されている |
| 7 | 写真と原稿はどちらが用意するか | 担当範囲が明確。撮影の有無と費用も確認 |
| 8 | 柔整の広告規制に対応できるか | 後述の3つの質問に答えられる |
| 9 | 公開後の連絡窓口と反応の速さは | 担当者名と連絡手段、返答の目安が決まっている |
| 10 | その会社が作った他院のサイトを見せてもらえるか | 複数の実例を提示できる |
10項目すべてに満額の回答が返ってくる会社は多くありません。重要なのは、答えられない項目があったときの態度です。調べて折り返しますと言える会社と、質問をはぐらかす会社では、公開後の対応も同じ差が出ます。
1番と2番は、ほかのどれよりも優先してください。名義とデータの扱いを押さえておかないと、その会社に不満が出たときに動けなくなります。検索順位を積み上げたあとで移れないと分かるのが、最も損の大きい展開です。
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見積書は金額ではなく抜けを見る

見積書の比較でやりがちなのが、合計金額の大小だけを見ることです。実際に効くのは、書かれていない項目を探す作業になります。
| 抜けやすい項目 | 抜けているとどうなるか |
|---|---|
| 原稿作成 | 院側が全ページ分を書くことになる |
| 写真撮影 | 素材写真だけの、どこの院か分からないサイトになる |
| 問い合わせフォーム | 電話番号しか置けず、時間外の受け皿がなくなる |
| 管理画面の設置 | 1文字直すのにも依頼と費用が発生する |
| 公開後の初期設定 | 検索エンジンへの登録や地図サービスとの連携が未実施のまま |
| 表記の規制チェック | 公開後に指摘を受けて手戻りになる |
安い見積書が悪いわけではありません。抜けている項目を把握したうえで、それを自分でやるなら十分に合理的な選択です。問題になるのは、含まれていると思い込んだまま契約し、後から追加費用を請求される場合でしょう。
比較の実務としては、各社の見積書を横に並べ、項目名を1つの表に書き出す方法が確実です。ある社にあって別の社にない項目が、そのまま質問リストになります。費用の相場そのものについては、整骨院のホームページ制作費用の相場で内訳を扱っています。
月額費用についても同じ見方をしてください。金額だけを比べれば安いほうが得に見えますが、含まれる作業が違えば意味がありません。月1万円で更新をほぼ制限なく頼める契約と、月5千円でも更新1回ごとに追加費用が発生する契約では、年間の合計で逆転することもあります。1年間に何回くらい更新を頼みそうかを先に見積もってから比べるほうが、実態に近い判断になるはずです。
規制を理解しているか見抜く3つの質問

広告規制への理解は、話していれば自然に分かるものではありません。次の3つを聞けば、短時間で判別できます。
| 質問 | 理解している会社の答え |
|---|---|
| 「診療時間」と書いてもらって大丈夫ですか | 柔整では使えないため「受付時間」や「施術時間」にすると答える |
| ホームページは広告規制の対象ですか | 認知性を欠くため原則として柔整師法・あはき法上の広告には当たらない。ただし掲載すべきでない事項があると答える |
| 「各種保険取扱い」は載せられますか | 広告できない例として挙げられている。療養費支給申請ができる旨を、条件を併記して書くと答える |
3つ目でつまずく会社が多い印象です。「各種保険取扱い」は業界で長く使われてきた表現ですが、ガイドラインでは広告できない事項の例として示されています。医療機関の制作に慣れた会社ほど、この違いに気づいていません。
質問は打ち合わせの流れの中で聞けば十分です。テストのように詰める必要はありません。むしろ相手の答え方から、業界の情報をどこまで追っているかが見えてきます。ガイドラインがいつ発出されたものか把握しているか、保健所の指導がどう進むのかを説明できるか。こうした周辺の話題への反応も判断の材料になるでしょう。
答えられなかったからといって、ただちに候補から外す必要はありません。「こちらで表現を確認するので、指摘したら直してもらえますか」と聞き、受けてもらえるなら進められます。危険なのは、知らないまま大丈夫ですと言い切る会社です。
広告規制の全体像についてはあはき・柔整広告ガイドライン完全解説で条項に沿って整理しています。打ち合わせの前に目を通しておくと、会話の精度が上がるはずです。
「初期費用0円」の提案が来たとき

初期費用を0円にする提案は、それ自体が悪いものではありません。総額と契約期間を確認したうえで判断すれば済む話です。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 月額と契約期間から総額を計算する | 月3万円で5年なら総額180万円。初期一括のほうが安い場合がある |
| 中途解約できるか、できる場合の費用は | リース型は原則として中途解約できず、残りの期間分を一括で求められることがある |
| 契約の相手は誰か | 制作会社ではなく信販会社との契約になっている場合がある |
| 契約満了後にサイトはどうなるか | データが返らず、公開が止まる契約になっていないか |
| ドメインとサーバーの名義 | 業者名義なら、満了時に移せない |
電卓で総額を出してみるだけで、判断はかなり楽になります。月額の数字は小さく見えますが、期間を掛けると一括払いを上回ることが珍しくありません。
その場で契約を求められた場合は、持ち帰って構いません。急かす理由が「今日だけの価格」であれば、それは検討材料ではなく手法です。
断ってよいサイン

次のいずれかに当てはまったら、無理に進めなくてもよいでしょう。
| サイン | 何を示しているか |
|---|---|
| その場での契約を強く求める | 比較されると不利だと分かっている |
| 名義やデータの質問をはぐらかす | 契約後に主導権を握る前提になっている |
| 集患数や検索順位を保証すると言う | 外部要因で決まるものを約束している |
| 効果を断定する表現を提案してくる | 掲載すべきでない事項を理解していない |
| 見積書の内訳を出さない | 比較されたくないか、内訳を把握していない |
| 契約書を交わさず口頭で進めようとする | 後から条件を動かせる状態にしている |
特に3番目は注意が必要です。検索順位は検索エンジン側の判断で変わるため、外部の会社が保証できる性質のものではありません。保証をうたう提案は、その時点で説明の信頼度が下がります。
断ることに気まずさを感じる必要もないでしょう。相見積もりは通常の商習慣であり、選ばれなかった側もそれを前提に動いています。
よくある質問

Q1. 何社から見積もりを取るのが適切ですか
3社から5社が目安です。2社では価格が高いのか安いのか判断できず、6社を超えると比較そのものが負担になります。重要なのは社数より条件を揃えることで、同じ内容を書いた1枚を全社に渡してください。目的、必要なページ、公開時期、予算の上限、更新の担当の5点があれば足ります。
Q2. 整骨院の実績が多い会社を選べば間違いないですか
実績数は判断材料の一つですが、それだけでは足りません。2025年2月のガイドライン以降、使えなくなった表記があるため、以前の型をそのまま使っている会社もあります。実績として見せてもらったサイトに「診療時間」「各種保険取扱い」が残っていないかを確認してみてください。
Q3. フリーランスに頼むのは危険でしょうか
力量の幅が大きいのは事実ですが、危険と決まっているわけではありません。確認すべきは、過去に公開したサイトの実物、連絡の取りやすさ、そして万一動けなくなったときにデータを引き継げる状態かどうかです。ドメインとサーバーを院の名義にし、管理画面の権限をもらっておけば、リスクはかなり下がります。
Q4. 相場より極端に安い見積書は避けるべきですか
金額だけで判断しないでください。安い理由が「テンプレートを使うから」「原稿は院が用意するから」であれば合理的です。問題は、含まれていない作業を院側が把握していない場合になります。見積書の項目を並べ、他社にあって自社の見積書にない項目を質問してみるのが確実でしょう。
Q5. 契約書を交わさないと言われました
書面を残してください。金額、納期、作業範囲、修正回数、名義、解約条件が書かれていない状態では、後から条件が変わっても争えません。制作会社が書式を持っていない場合でも、打ち合わせの内容をメールにまとめて送り、相違がないか返信をもらうだけで記録になります。
Q6. 打ち合わせの時間が取れません
対面にこだわらなければ進められます。オンラインの打ち合わせやメールのやり取りで完結する会社も増えました。むしろ、まとまった時間を取れないことを最初に伝えておくほうが、相手も進め方を組み立てやすくなります。院の基本情報と写真を先に渡しておけば、打ち合わせ自体が短く済むでしょう。
Q7. 公開後に制作会社と連絡が取れなくなったらどうなりますか
ドメインとサーバーが院の名義で、管理画面の権限を持っていれば、別の担当者に引き継げます。逆に業者名義のままだと、サイトの更新も移管もできなくなります。この点だけは契約前に必ず押さえておいてください。名義の確認方法については、別記事で手順を扱う予定です。
Q8. 制作会社に任せた表記で指導を受けた場合、責任はどちらにありますか
広告の内容について指導を受けるのは施術所です。制作会社に任せていたという説明は、指導を免れる理由になりません。だからこそ初稿の段階で自分の目でも確認し、気づいた点を伝える必要があります。修正に応じてもらえるかを、契約前に確認しておきましょう。
まとめ

本日中にできること
- いま契約中のドメインとサーバーが誰の名義かを確認する
- 依頼したい内容を1枚にまとめる(目的・ページ・時期・予算・更新担当)
今週中にできること
- 候補を3社から5社集め、同じ条件で見積もりを依頼する
- 各社が作った他院のサイトを実際に開いて確認する
今月中にできること
- 10項目の確認事項に沿って各社へ質問する
- 見積書の項目を並べ、抜けている作業を洗い出す
制作会社選びで差が出るのは、デザインの好みではありません。名義とデータの扱い、月額に含まれる作業、そして規制への理解です。この3つを先に確認しておけば、あとから動けなくなる事態は避けられます。
そして、答えられない質問があったときの態度をよく見てください。調べて折り返す会社は、公開後も同じように対応してくれるはずです。
作り方の手順そのものは整骨院のホームページの作り方で、必要なページ構成は整骨院のホームページ制作ガイドで扱っています。
御院の表記を、条項に沿って確認しませんか
現在のホームページやGoogleビジネスプロフィールに該当する表記がないかを、無料で診断しています。該当箇所と、ガイドラインの条項番号、代替となる表記をまとめてお送りします。
診断のみのご利用で構いません。制作のご依頼をお勧めすることはありません。無料の広告ガイドライン診断はこちら。
