整骨院・接骨院で悪質な口コミを受けた方で、以下のいずれかに当てはまる方:
「事実無根の内容を書かれた」「来院した記録がない人からの投稿がある」「同じ人が繰り返し低評価を入れてくる」
Googleの口コミは、ポリシー違反に該当する場合のみ削除できます。「事実と違う」「気に入らない」という理由では削除されません。ここを誤解していると、無駄な労力を費やすことになります。
本記事では、削除できる基準とできない基準、申請の具体的な手順、通らなかった場合の対応、法的措置を検討するラインまでを実務手順として解説します。
1. 前提|削除できるのはポリシー違反のみ

最初に期待値を正確に設定します。Googleの口コミは、簡単には削除されません。
1-1. 削除の判断基準
| あなたの主張 | 削除されるか |
|---|---|
| Googleのポリシーに違反している | 削除されうる |
| 事実と違う | それだけでは削除されない |
| 評価が不当だ | 削除されない |
| 営業に支障が出ている | 削除されない |
| 感情的で理不尽な内容だ | 削除されない |
Googleは事実関係の真偽を判定しません。院側と投稿者側のどちらが正しいかを調査する立場にないためです。
判定するのは「ポリシーに違反する形式・内容か」だけです。ここを理解していないと、何度申請しても通らず疲弊します。
1-2. 削除以外の選択肢
| 選択肢 | 実現可能性 | コスト |
|---|---|---|
| 削除申請 | 低〜中(ポリシー違反なら) | 低 |
| 返信で対応する | 常に可能 | 低 |
| 新しい口コミで薄める | 中〜高 | 低 |
| 発信者情報開示請求 | 低(要件が厳しい) | 高(弁護士費用) |
| 損害賠償請求 | 低 | 非常に高い |
実務上、最も現実的なのは「返信で対応する」です。削除申請は並行して行いつつ、通らない前提で返信を用意してください。
返信の書き方は、整骨院の低評価口コミへの返信テンプレにまとめています。
2. 削除できる5つの基準

Googleのポリシーに照らして、削除申請が通りうるケースを整理します。
基準1: スパム・虚偽のコンテンツ
| 該当例 | 備考 |
|---|---|
| 来院実績がない人物からの投稿 | 最も申請しやすい類型 |
| 同一人物による複数アカウントからの投稿 | 文体・時期の類似が根拠になる |
| 同じ内容の繰り返し投稿 | スパムとして扱われる |
| 明らかに別の店舗についての内容 | 誤投稿。比較的通りやすい |
基準2: 個人情報の掲載
| 該当例 |
|---|
| スタッフの実名(公表していない場合) |
| 個人の電話番号・住所 |
| 他の患者に関する記述 |
基準3: ヘイト・嫌がらせ
| 該当例 |
|---|
| 人格を攻撃する表現 |
| 差別的な表現(国籍・性別など) |
| 脅迫を含む内容 |
| 下品・卑猥な表現 |
基準4: 利益相反
| 該当例 | 備考 |
|---|---|
| 競合他院による投稿 | 立証は難しいが申請は可能 |
| 元従業員による投稿 | 内容から判別できる場合がある |
| 対価を受けて書かれた投稿 | 同上 |
基準5: 主題から外れた内容
| 該当例 |
|---|
| 院と無関係な政治的・社会的主張 |
| 宣伝・勧誘目的の内容 |
| 施術やサービスに全く言及していない |
実務上、「来院実績がない」「明らかな人格攻撃」の2つが最も申請の根拠を示しやすい類型です。
基準4(利益相反)は該当していても立証が難しく、通りにくい傾向があります。
口コミへの返信、規制に触れていませんか?
削除できない口コミには返信で対応します。ただし返信も柔整の広告規制の対象です。
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3. 削除できないケース

ここを理解しておくことが、無駄な労力を避けるために重要です。
| ❌ 削除できない | 理由 |
|---|---|
| 主観的な感想(「合わなかった」等) | 個人の意見表明として保護される |
| 施術についての率直な評価 | 口コミの本来の目的 |
| 待ち時間・対応への不満 | 体験に基づく事実の指摘 |
| 料金についての不満 | 同上 |
| 星の数だけで本文なし | ポリシー違反ではない |
| 院側の認識と異なる内容 | Googleは真偽を判定しない |
| 評価が低いこと自体 | 低評価は削除理由にならない |
「低評価を削除します」と営業してくる業者がいますが、正規の方法では削除できない口コミを削除する手段はありません。
仮に何らかの手法で削除できたとしても、それはGoogleのポリシー違反にあたる手法である可能性が高く、ビジネスプロフィール自体が停止されるリスクを負います。行政処分よりダメージが大きい結果になりかねません。
3-1. 削除できない口コミへの向き合い方
| 対応 | 効果 |
|---|---|
| 丁寧に返信する | 読む人に対応姿勢を示せる。最も効果的 |
| 指摘内容を運用改善に活かす | 同じ口コミが繰り返されるのを防ぐ |
| 新しい口コミを増やす | 件数が増えれば1件の影響は薄まる |
| 感情的に反論する | 第三者から見て院の印象が悪化する |
口コミを増やす方法は、整骨院が合法的に口コミを増やす7つの方法で解説しています。
4. 削除申請の手順

申請自体は数分で完了します。結果が出るまでは数日〜数週間かかります。
4-1. 基本の手順
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | Googleビジネスプロフィールの管理画面を開く |
| 2 | 「クチコミ」の一覧から該当の投稿を表示する |
| 3 | 投稿右上のメニュー(3点アイコン)を開く |
| 4 | 「不適切なクチコミとして報告」を選択する |
| 5 | 該当するポリシー違反の種別を選ぶ |
| 6 | 送信して結果を待つ |
4-2. 違反種別の選び方
| 状況 | 選ぶべき種別 |
|---|---|
| 来院実績がない | スパム・虚偽のコンテンツ |
| 同一人物の繰り返し投稿 | スパム・虚偽のコンテンツ |
| スタッフの実名が書かれている | 個人情報 |
| 人格攻撃・差別的表現 | ハラスメント / ヘイトスピーチ |
| 競合・元従業員による投稿 | 利益相反 |
| 院と無関係な内容 | 主題から外れたコンテンツ |
最も明確に該当する種別を1つ選んでください。 複数に該当しそうな場合でも、根拠が最も強いものを選ぶ方が通りやすくなります。
「なんとなく該当しそう」で選ぶと、審査で否定されて終わります。
4-3. 申請後の流れ
| 段階 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 審査 | 数日〜数週間 | Googleが自動および人手で判定 |
| 結果通知 | — | 通知が来ない場合もある |
| 削除された場合 | — | 口コミが表示されなくなる |
| 削除されない場合 | — | 口コミはそのまま残る |
結果の通知が来ないケースがあります。申請から2週間後に口コミ欄を確認し、残っていれば申請は通らなかったと判断してください。
申請した日付をメモしておくと、確認のタイミングが分かりやすくなります。
5. 申請が通らなかったときの対応

多くの場合、1回目の申請では通りません。次の手順を検討してください。
5-1. 段階的な対応
| 段階 | 対応 | 推奨度 |
|---|---|---|
| 1 | 返信を書く | ◎ 最優先 |
| 2 | 時間をおいて再申請する | ○ 内容を変えて |
| 3 | Googleのサポートに問い合わせる | ○ 明確な違反がある場合 |
| 4 | 新しい口コミを増やして薄める | ◎ 並行して実施 |
| 5 | 弁護士に相談する | △ 悪質性が高い場合のみ |
申請中であっても、返信は先に書いておくべきです。審査に数週間かかる間、口コミは表示され続けます。
削除されれば返信も一緒に消えるだけなので、書いて損はありません。
5-2. 再申請するときのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 種別を変える | 前回と違う違反種別を選ぶ |
| 期間をあける | 連続申請は効果が薄い。数週間あける |
| 複数人で申請しない | 組織的な申請と見なされる可能性がある |
5-3. Googleサポートへの問い合わせ
ビジネスプロフィールのヘルプから、サポートに直接連絡できる場合があります。
| 伝えるべきこと |
|---|
| どのポリシーに違反しているか(具体的に) |
| なぜそう判断できるか(客観的な根拠) |
| すでに報告済みであること |
| 投稿の日時と内容 |
「事実と違う」「営業妨害だ」という主張は避けてください。ポリシー違反という観点で説明する方が通りやすくなります。
6. 法的措置を検討するライン

法的手段は選択肢としてありますが、費用と時間に見合うかは慎重に判断してください。
6-1. 検討に値するケース
| 状況 | 検討の要否 |
|---|---|
| 単発の低評価 | 不要。返信で対応する |
| 主観的な批判 | 不要。法的措置の対象にならない |
| 同一人物による継続的な投稿 | 証跡を残しつつ検討 |
| 明らかに虚偽の事実の摘示 | 弁護士に相談する価値がある |
| 脅迫・執拗な嫌がらせ | 警察への相談も含めて検討 |
6-2. 名誉毀損の要件
法的には、「事実の摘示」による社会的評価の低下が名誉毀損の要件です。
「施術が下手だった」は意見・論評であり、名誉毀損にはあたりにくい。
「無資格者が施術している」は事実の摘示であり、それが虚偽なら名誉毀損になりうる。
この違いが、法的措置の可否を大きく分けます。
6-3. 発信者情報開示請求
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | プロバイダ責任制限法(情報流通プラットフォーム対処法) |
| 手続き | 裁判所への申立てが必要な場合が多い |
| 期間 | 数ヶ月 |
| 費用 | 弁護士費用として数十万円規模 |
| 成功率 | 要件が厳しく、必ず開示されるとは限らない |
口コミ1件のために数十万円と数ヶ月をかける価値があるか、慎重に検討してください。
多くのケースでは、返信で対応し、新しい口コミを増やす方が実質的な効果が大きいのが実情です。
6-4. 弁護士に相談するタイミング
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 初回相談 | 多くの法律事務所が無料相談を実施している |
| 持参するもの | 口コミのスクリーンショット、投稿日時、経緯のメモ |
| 確認すること | 法的措置の可否、費用の見積もり、想定される期間 |
7. 証跡の残し方

削除申請でも法的措置でも、証跡がなければ動けません。
7-1. 保存すべきもの
| # | 保存対象 | 方法 |
|---|---|---|
| 1 | 口コミのスクリーンショット | 投稿者名・日時・本文・星の数が全部入る形で |
| 2 | 投稿者のプロフィールページ | 他の投稿履歴も含めて |
| 3 | 該当日の予約記録・施術録 | 来院実績の有無を示す |
| 4 | 申請日と選択した種別 | メモで十分 |
| 5 | 経緯のメモ | いつ何が起きたかを時系列で |
申請が通って削除された場合、口コミの内容も一緒に消えます。後から法的措置を検討しようとしても、証拠がありません。
申請する前に必ずスクリーンショットを撮ってください。
7-2. 記録の付け方
【投稿日時】2026年8月5日 14時32分
【投稿者名】○○ ○○
【評価】星1
【本文】(スクリーンショットのファイル名)
【該当日の予約記録】なし / あり(○月○日 ○時)
【スタッフの記憶】心当たりなし
【申請日】2026年8月6日
【選択した種別】スパム・虚偽のコンテンツ
【結果】2026年8月20日時点で削除されず
【対応】返信を投稿(8月7日)
スプレッドシートで管理すれば十分です。継続的な嫌がらせを受けている場合、この記録が最も強い証拠になります。
7-3. 個人情報の取扱い
投稿者を特定する情報を記録する場合、その情報自体が個人情報になります。
院内で共有する範囲を限定し、外部に漏れないよう管理してください。また、返信の中で投稿者を特定するような記述をしてはいけません。
8. よくある質問FAQ

Q1. 「事実と違う」という理由では削除されないのですか?
されません。Googleは事実関係の真偽を判定する立場にありません。院側と投稿者側のどちらが正しいかを調査しないためです。判定されるのは「ポリシーに違反する形式・内容か」だけです。事実誤認については、返信で「当院の認識と異なる部分がございます」と冷静に示す方が実効性があります。
Q2. 削除申請をすると投稿者に通知されますか?
申請したこと自体が投稿者に通知される仕組みにはなっていません。ただし削除された場合、投稿者が気づいて再投稿する可能性はあります。継続的な嫌がらせが疑われる場合は、その点も想定しておいてください。
Q3. 何回まで申請できますか?
回数制限は明示されていませんが、短期間に連続して申請しても効果は薄いです。1回目が通らなかった場合、数週間あけて、違う違反種別で再申請するのが現実的です。組織的に複数人から申請するのは避けてください。
Q4. 削除代行業者に依頼してもいいですか?
推奨しません。正規の方法で削除できない口コミを削除する手段は存在しません。何らかの手法で削除できたとしても、それはポリシー違反の可能性が高く、ビジネスプロフィール自体が停止されるリスクを負います。口コミも順位もすべて失うことになりかねません。
Q5. 元従業員が書いたと分かっている場合は?
「利益相反」として申請できます。ただし立証が難しく、通りにくい傾向があります。内容から元従業員と判断できる要素(内部事情への言及など)があれば、サポートへの問い合わせ時に説明材料になります。並行して返信で対応してください。
Q6. 星だけで本文がない低評価は削除できますか?
できません。ポリシー違反にあたらないためです。ただし返信は可能なので、「ご評価をいただきありがとうございます。ご期待に沿えなかった点がございましたら、お聞かせいただけますと幸いです」といった短い返信を投稿しておくとよいでしょう。
Q7. 弁護士に相談すべきラインはどこですか?
「明らかに虚偽の事実の摘示」または「脅迫・執拗な嫌がらせ」の場合です。単発の低評価や主観的な批判は対象になりません。「無資格者が施術している」のような虚偽の事実を書かれ、それが継続している場合は相談する価値があります。多くの法律事務所が初回無料相談を行っています。
Q8. 削除できない口コミにはどう対応すればいいですか?
丁寧な返信が最も効果的です。読むのは投稿者ではなく、これから来院を検討している第三者です。冷静で誠実な返信がついていれば、低評価そのものの印象を和らげられます。加えて、新しい口コミを増やせば1件あたりの影響は薄まっていきます。
9. まとめ|削除より返信で対応する

悪質な口コミへの対応で最も重要なのは、期待値を正しく設定することです。Googleの口コミは、ポリシー違反に該当する場合のみ削除されます。「事実と違う」「不当だ」という理由では動きません。
だからこそ、削除申請と並行して返信を用意するのが実務的な正解です。削除されれば返信も消えるだけ。通らなければ返信が残って機能します。どちらに転んでも損はありません。
受けた当日にやること
- スクリーンショットを撮る:削除されると証拠も消える
- 事実確認をする:該当日の予約記録・施術録を確認
- 返信は書かない:感情が乗った文章は第三者に伝わる
1〜3日以内にやること
- 削除基準に該当するか判断する:第2章の5基準に照らす
- 該当すれば申請する:最も明確な種別を1つ選ぶ
- 並行して返信を投稿する:削除を待たずに書く
2週間後にやること
- 削除されたか確認する:通知が来ない場合がある
- 通らなければ再申請を検討:種別を変えて、期間をあけて
- 新しい口コミを増やす:件数が増えれば影響は薄まる
悪質な口コミは、経営者にとって強いストレスになります。しかし削除に固執すると、通らない申請を繰り返して疲弊します。返信で対応し、新しい口コミを増やす。この2つが最も確実で、コストも低い方法です。
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悪質な口コミへの返信は、感情が入りやすく規制違反も起きやすい場面です。
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